トムとジェリー(英語原題 Tom and Jerry)は、アメリカ合衆国の映画会社メトロ・ゴールドウィン・メイヤー (MGM) に所属していた、ウィリアム・ハンナ (William Hanna) とジョセフ・バーベラ (Joseph Barbera) が制作したアニメーション、カートゥーン。略称は「トムジェリ」(ワーナーHPより)「TJ」など
その後、ジーン・ダイッチ (Gene Deitch) やチャック・ジョーンズ (Chuck Jones) らによって続編が制作されたが、ハンナ=バーベラの2人による初期の作品に対しての評価がずば抜けて高い。
人気が非常に高い上、子供からも親しまれるキャラクターのため、イメージキャラクターとして使用する企業も多い。
体が大きく凶暴だが、おっちょこちょいでどこか憎めない部分のあるネコのトムと、体は小さいが頭脳明晰で、追い掛けてくるトムを事も無げにさらりとかわすネズミのジェリーのドタバタを、ナンセンスとユーモアたっぷりに描いた作品で、アカデミー賞を幾度となく受賞。日本でも、1964年にTBS系列で地上波初公開されて以来、幾度も繰り返し再放送(2007年現在は地方の民放やCSなどで放送されている)、ビデオとDVDも数多くリリースされ、非常に馴染みの深い作品である。プレイステーション・ポータブル向けのUMDとしてもリリースされており、こちらはワーナーのUMD980円キャンペーン時に最も高い売り上げを誇っている。なお日本のテレビ放送ではトムとジェリーの双方に声優が付いたが(テレビ朝日版の「新トムとジェリー」を除く)、元々は例外的な一部作品を除いて明確な台詞はなく、ナレーターの他は叫び声や効果音・音楽のみ(まれに歌声)で構成されていた。
劇中のパイの投げ合いなど、このアニメに於けるドタバタは、後年製作されていくテレビのお笑いバラエティ番組などにも、少なからず影響を与えていると見られる。『8時だョ!全員集合』では、日本のバラエティ番組で初めてパイ投げが用いられるなど、特にザ・ドリフターズの番組にそれが見受けられるようである。
また、現在ではぬいぐるみや文房具など、キャラクター商品でも人気が出ている。最近では、作品をモチーフにしたCM(日本生命の保険口座「生きるチカラ」)も放映されているほか、みちのく銀行(青森県)・十六銀行(岐阜県)等一部の金融機関、西日本旅客鉄道(JR西日本)のコーポレートキャラクターにも採用されている。キャラクターゲームとしても度々題材に選ばれるなどしている。
誕生の背景
1930年代後半、当時アメリカでアニメーション、正しく言うならカートゥーンの分野では、ウォルト・ディズニー・カンパニーが人気面で先頭を走っており、これに目を付けた他の映画会社が負けじと、カートゥーンを手掛けることとなった。MGMも例外ではなく、新しいカートゥーンを創るべく、先述のウィリアム・ハンナ、ジョセフ・バーベラの2人のアニメーターに製作を依頼。こうして誕生したのが「トムとジェリー (TOM and JERRY)」であった。
だが当初、この猫と鼠の追い掛けっこをモチーフにしたカートゥーンは、現場サイドでの評判は決して良くなかったと言われている。そういった背景の中、1940年に第1作目「上には上がある (Puss Gets the Boot) 」をアメリカで公開。ただしこの作品が初めて公開された当時、"TOM and JERRY"というタイトルは付けられておらず、トムは別名の「ジャスパー (Jasper)」、ジェリーに至ってはまったく名前が付けられていなかった。製作も、お馴染みのハンナ=バーベラの2人の連名ではなく、ルドルフ・アイジング (Rudolf Ising) という、全く別の製作者の名前が冒頭で公開されていた。このあたりに、当初置かれていた「トムとジェリー」の立場というものが窺い知れる。
しかしいざ公開すると、この作品の人気が瞬く間に上昇し、ハンナ=バーベラの2人のアニメーターの名をアメリカ中に轟かせる結果となった。
なお、現在ではなかった話になっているが、もともとトムとジェリーは、大人向けのコミカルな風刺映画として公開されていた(新聞の4コマ漫画や風刺漫画のような)ものである。 当時のアメリカの映画館では、典型的な娯楽映画以外にも、テレビを持てない労働者向け、あるいは戦時中にはプロパガンダも兼ねてニュース映画なども上映されており、これらの上映時のフィルムの架け替えの時間を埋める作品として製作された。 1話の時間が短いのはそのためである。なお日本では、毎週・毎日放送する連続テレビアニメとして放送されたが、原作は不定期で年に数本の製作である。
従って、公開年次と内容をよく観察すると、作品一つ一つにその当時の社会風俗の描写、あるいは社会風刺が入っている。 風刺には、大都会へ上京したジェリーが、結局は都会に馴染めずに郊外の田舎に戻るといった分かりやすい物から、閑静な住宅街に住む黒人が飼い主として描写されているエピソード(当時のアメリカの状況を考えると、これは殆ど不可能)といった、現代の視点では一見気づき難いが、実は微妙な描写まで様々である。そもそも、タイトルの「トムとジェリー」自体が、アメリカ(あるいはイギリス)とドイツの当時の俗称である(* トムとジェリー (曖昧さ回避)も参照のこと)。
現代では、アメリカでも、普通のスラップスティックなアニメとして鑑賞されることも多いが、ある程度の年配者やアメリカの社会風俗を学んでいる人に対して、トムとジェリーを幼年向けのアニメ文化という前提で話すと困惑されるので、話題にする際は注意が必要である。
登場キャラクター
トム
ドタバタコンビの一方。猫。正しくは"Thomas Cat (トーマス・キャット)"。色はグレーまたは水色。ジェリーをいじめることが好きだが、実はジェリーがいないととても寂しがるセンチメンタルな面も持ち合わせている。また、ジェリーとの共通の敵が表れると、共同作戦をすることもある。製作時期により顔の形、色が若干異なる。また、雌猫(トゥードル)に対して、非常に惚れっぽい一面も持っており、親友でもある野良猫のブッチとは恋の鞘当てを演じることもある。ちなみに両利きである。
音楽の才能に長け、特にピアノの演奏は絶品であるが(足の指でリストを弾けるほど)、指揮者としての才能はドタバタ劇の末、ジェリーに負けてしまう。しかし、プロの指揮者の形態模写は、過去二回の指揮振りを見る限りでは完璧であった。また、オーケストラの楽器の大半をこなすことができるほど、楽器への順応性が強い。なぜか大富豪の遺産を引き継ぐこともあるが、ジェリーの悪戯により相続を台無しにされることもある。
運動神経もはっきり言って異常ともいえるほどで、テニス、ボウリング、サーフィン、ビリヤード、やり投などレパートリーも広い。特にビリヤードではプロ顔負けのドローショット(引き球)を披露する。またバンクショットの名手であり、イージーボールでも必ずクッションを使う。ただし、ゴルフはPAR4で33打たたくなど、得意ではないようだ。水泳も大の苦手にしていたが、新作などで普通に泳いでいることから、現在は克服しているようだ。
軽業のような妙な芸当にも秀でていて、ジャグリングなどを披露することもしばしばだが、これは専らジェリーに遊ばれている時に急場を凌ぐための芸当であることが多く、大抵は途中でジェリーに邪魔されて散々な結果に終わる。また、倒立の状態で、手の指だけで進むことができる。
ミルクと魚(缶詰類も含む)が大好物だが、ジェリーの大好物であるチーズは苦手である。
ジェリーの穴やビリヤードのポケットなど、空間をねじ曲げることができる。
ジェリーの仕掛けた罠によく尻尾を挟まれるが、この時すさまじいまでの叫び声をあげる(大きく分けて「オゥーッホッホッホッ!」「アアアアアアアーーー!」の2種類がある)。マッチを擦るときはなぜか自分の尻で擦る。ただしこれはトム特有ではなく、ジェリーも同様に自分の尻を使うことがある。なお1940年当時のマッチは何に擦っても、火が点いた。
「首切りの刑」・「車にひかれる」・「高い場所から落ちる」等の行為によっても死なない不死身の猫である(マンガ物理学)。
物を作るのには才能があるらしく、作品によっては「ネズミ捕り機(失敗)」・「レースカー」・「ロケット」等を作ったことがある。
飲酒や葉巻を吸っているシーンから、人間年齢では成人していると思われる。そのためか体力があまりない。酔っ払ってる間は平常時とは反対にジェリーに対して友好的となる。
ネズミ嫌いで、トムそっくりのいとこがいる。
下着(?)としてランニングシャツと猿股を着用する。ブッチはじめ他のネコは、猿股だけか下着そのものを着ないことが多い。
作品によっては、世界猫連盟の事務総長、ねずみ取り選手権のチャンピオン。
ジェリー
ドタバタコンビの一方。鼠。正しくは"Jerry Mouse (ジェリー・マウス)"。色は茶色。劇中、ハツカネズミに間違われることもある。トムに悪戯をすることが好きだが、トム同様、実はトムがいないととても寂しがるセンチメンタルな面も持ち合わせている。このため、トムが家から追い出されるとトムが家に戻れるように画策することもある。従兄弟のニブルスをトムがいじめたとき、脅威的な力を発揮することもある。空手や柔道などの格闘技の素養もある。両利き。
チーズが大好物だが、別段偏食はしない。文筆の才能に秀で、自ら手掛けた小説が大ヒットし、5万ドルの印税を手にしたこともある(トムと折半)。剣の腕前はトムと互角だが、ニブルスが加わることにより(加勢というよりはジェリーの邪魔ばかりしているのだが)トムに勝ってしまう。また、ダンスの腕も一流である。
普段はマッチ箱や菓子の箱などを利用した家具、オイルサーディンの缶でできたベッドのある(両親らしき写真も飾ってある)壁の鼠穴に住んでいるが、その旺盛な食欲を満たすために冷蔵庫や食卓を蹂躙する。また、家中のありとあらゆる場所に非常口とその経路を張り巡らせており、金庫の中さえも進入することができる。これによって、トムの隠したミルクを強奪したこともあった。
力持ちで、ジェリーそっくりのいとこがいる。
いかなる場所に閉じ込められても必ず脱出できる。その脱出劇はイリュージョンさながらであり、トムをたびたび驚愕させる。携帯できるのこぎりのようなものを常備しているとも考えられる。トムがジェリーを飲み込んだ話もあったが、その時はジェリーはトムの鼓膜をぶち破って脱出している。
作品中では、圧倒的な勝率を誇り、トムの攻撃を完封することもあった。しかし、物語の序盤または中盤では劣勢なものの、最後に巻き返す作品が大半である。ジェリーが敗北する作品は実に3本ほどしかない。
飲酒や葉巻を吸っているシーンから、こちらも人間年齢では成人していると思われる。息が切れやすい。
その他
トムとジェリーを語る上で重要視されているものに、脇役の存在が挙げられる。事実、ハンナ=バーベラ第1期には、ニブルスやスパイク、ブッチなど、個性的な脇役たちによって、話を盛り上げていくこともしばしばあった。
ニブルス(ジェリーの従兄弟、または孤児)
タフィーという別名(類似の別のキャラクター?)もある。また、インディアンの恰好をして、2匹登場することもある。灰色で、大きな安全ピンで留めたおむつを着用している点が特徴的。ジェリーとともに、トムとフェンシング対決をすることが多い。
このキャラクターの登場する話は、数あるトムとジェリーの話でも特にドタバタの激しい点が挙げられる。アカデミー賞を獲得した「パーティ荒し(The Two Mouseketeers)」などは、その最たる例と言えよう。
なお、ジェリーの従兄弟はニブルスの他にもう一匹腕力の強い者(Mr.ダイナマイト)がいる。
スパイクとタイク(ブルおじさんと息子)
もともとは凶暴なキャラクターとして登場したスパイクだが、登場回数を重ねていく毎に性格が次第に丸くなっていった。子供を授かったあとその傾向が強い。子供のタイクを授かっているが、なぜ子供が誕生したのかは謎のままである。骨を好物にし、しばしばそれを舐めているが、この骨を巡るドタバタ劇もある。怪力で努力家であるが、割と間抜けな面も持ち合わせている。諸般の事情でトムをしばしば目の仇にするが、これを出し抜こうとするトムとのやり取り(更にこの試みを邪魔するジェリー)を軸に展開するストーリーも多い。ジェリーとは比較的友好関係にある場合が多いものの、そのジェリーによっても散々な目に遭うこともある。
なお、登場する話によっては、スパイクという名前ではなく、キラーやブッチ(トムの悪友の名前)という名前で登場することもある。また、「天国と地獄」では、地獄の釜ゆでの番人役も務めている。毛皮は灰色であるが、服のように脱いだりすることができる。
彼らが登場する回で、一度だけトムが勝利した作品がある。ごくまれにだが、トムと共同戦線を張ることがある。
初登場時の「共同作戦」ではかなり凶暴でトムはおろか、ジェリーにも吠え付いた。
後にスパイクとタイクは「Spike and Tyke」という作品でスピンオフしている。
トムの悪友(ブッチ他)
悪友の代表格である野良猫のブッチ(黒猫、時に赤毛)はしばしばトムと恋人を巡って争う関係で、自信家で喧嘩も強い。どちらがジェリーを食べるかで揉めることもあるが、一緒に遊ぶこともある。テニスもうまい。ブッチが単独で登場する際は、最初に、「虹の彼方に (Over the Rainbow)」を口ずさんでいたり、BGMとして流れたりすることが多い。
その他にも、赤い猫や茶色い猫、灰色の子猫など、複数の野良猫が登場する。ブッチ同様に敵として登場する回もあるが、仲間として登場する回もあり、彼らとのパーティーで行ったジャズセッションはかなりのものであった。赤い猫は「ジョー」、茶色い猫は「フランキー」と呼ばれていたシーンが存在するが、これらのキャラクターは話や翻訳によって名前が変わることがあるので、正しい名前は定かではない。
雌猫(トゥードル他)
優美な白猫で、主にトムとブッチを誘惑しては、彼等の友情と恋仲を天秤に掛けさせる存在。ちょっと太目で子供っぽいトゥーツなど複数が登場する。時々ジェリーとも仲が良かったりする。
金魚
金魚鉢などに住んでいる。ジェリーと親友であることが多いが、ブッチが狙っていて、主人に怒られることを怖れたトムが守ることもある。
アヒル
全く泳げなかったり、トムを母親と思い込んだり、童話を読んで鬱になり自殺願望からトムに食べられたがったり、アヒルは冬になると南へ飛ぶものだと思い込んだりする、登場する話によってキャラクターも様々な子供のアヒル。黄色い毛。ぐちっぽくて傍迷惑な泣き虫であることが多い。猫をも恐れぬ気の強い母親アヒルがいる。
カナリア
勇敢な性格で、ジェリーの友達。ジェリーの危機にボウリングの球を持って飛ぶなど、意外と力持ちである。物理が得意。
キツツキ(啄木鳥)
木製製品なら何でも粉々にしてしまう嘴を持つキツツキの子供。生まれたばかりの時にジェリーを見て母親と思い込む。数学が得意。
主人(男性・女性)
白人夫婦・赤ちゃんもいるようだが、あまり登場しない。よく出かける。男性の方は無類のイヌ派でもあるようだが、女性の方は小さくか弱い生き物が好きなようだ。その点で何故トムが飼われているのかが謎となるが、どちらもいたって動物好きのようではある。犬と猫・猫と小鳥や金魚やハツカネズミと仲良くするよう言い付けるなど少々無茶な要望をする、のんき家族である。
お手伝いさん
登場すると足や手しか見えない・全身が出たのは後姿のみで、顔が出たことはない大柄で気の強い黒人女性。トムの飼い主にも見えるが、イタズラしたトムには容赦がない(実際はジェリーのイタズラなのだが)。野球の外野手顔負けの、遠投の名手でもある。腕力も相当なものがある。ネズミが大嫌いなため悲鳴を挙げてしまうほどで、しばしばトムとジェリーの追い掛けっこに巻き込まれては散々な目にあっているほか、時々ジェリーにからかわれている。しかしそれでもジェリーを家から追いだしたことがある。コントラクトブリッジに目が無いようだ。お手伝いさんというわりには家でパーティーの準備をしたりしている。寝室は家の二階。入れ歯をしているらしいが、いつでも元気いっぱいである。
ジョージ
トムのいとこでトムそっくり。ところがネズミ恐怖症。トムと団結してジェリーを撃墜した。トムが勝利する数少ない作品に登場した。
アンクル・ペコス
ジェリーのおじさんで、TV出演のためテキサスからやってきた。トムのヒゲを弦に欲しがる。
ライオン
サーカスから逃げてきた気の弱いライオン。
子象(ジャンボ)
列車から転げ落ちた子象がジェリーと仲良くなる。全身にペイントを施して巨大ネズミに変装し、トムを大いに慌てさせた。
熊
サーカスから逃げてきた熊。音楽を聴くと踊り出す。
オットセイ
サーカスから逃げ出したオットセイ。ジェリーと友達になる。
白いネズミ
研究所で作られた新型爆弾を食べたネズミ。ジェリーがこれのマネをした。
蟻の群れ
ボライズ ピーマン ストー トラ!トラ! ルワン クッツ フーリガン チレース ディーピー マルガリ カツレツ ストアブ オルゴ れいほく ステップ びゃくぐん 横野柿 ストア テーマ サルバド アクティブ ピンぼけ マドラー スコップ スメグマ ドティー スローフ レンチ フェン スロー ミリオン ブカレスト ロボトミ セラム 平和の種 ベルト ヤプー もらーど デンマーク サーンチー ピアノ はちろ パラソル スキップ ランダム モンブ ぶなしめじ セニョーラ ボンボン イアル
行進曲とともに現れる蟻。なぜか頭の部分が赤い。ステーキ肉や果物・野菜・サンドイッチなど、ありとあらゆる食料品を強奪していく。その集団力は驚異的なもので、誰も阻むことができない。また、小さい身体にしては歩く時の衝撃が非常に大きく、トムが乗っているハンモックをも地震のように揺らすほどである。先頭のリーダーと思われる蟻はなぜかラッパのようなものを持っている。